法人を設立してみて、個人事業主のときのように、住んでいる家の扱い方について調べてみました。
家賃の仕分けはどうなのか、個人事業主とどのような違いがあるのか、どのように分けるのか、などなど。
調べた結果として、社宅として契約した方が良さげということがわかったので、
実際にどう考えて計算すればいいのかをさらに調べました。
まとめ
節税観点
- 法人で、社宅として契約したほうがお得
税制上の扱い
個人/法人で考え方が違う。
- 個人
「事業で使っている分(家賃按分)」が経費となります。
(最大でも大体5割程度が相場といわれています) - 法人
「不動産へ支払う家賃 – 個人から受け取る家賃」が経費となります。
(最大で家賃の8割~9割といわれています)
詳細
自分のケースに当てはめて、イメージしてみたいと思います。
専門家ではないので、間違いや古い情報もあるかも知れません。参考程度と思ってください。
引用はすべて最後の参考リンクを参照
想定するケース、状況
- IT業界の法人
- フリーランスから法人成りしている
上2つは、社宅と節税には関係はないですが、一応記載しました。 - 法人名義で賃貸マンションを契約する
家賃は法人から不動産へ支払います - 法人から個人(自分)に社宅として貸出す
社宅家賃は個人から法人へ支払います
※借り上げ社宅といわれるらしいです。 - 床面積99㎡以下のマンションとする
”小規模な住宅”という扱いになります。
なお、個人事業主の場合は、家賃として個人と事業で按分して計上
家賃は個人から不動産へ支払います
借り上げ社宅の流れ
- 法人で賃貸契約する。
- 役員へ貸し付ける。
- 役員から適正な賃料を貰う。
借り上げ社宅のメリット
- 適正な賃料ってのを計算すると、とにかく安い。
- 住宅手当と違い、所得税、住民税は上がらず、社会保険料も上がらない。
- 役員から受け取る家賃収入は非課税取引となる。
賃料相当額の算出方法について
今回、想定するケースでは、「床面積99㎡以下のマンション」の小規模住宅となり、以下の賃貸料相当額の計算式があります。
1 役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合
次の(1)から(3)の合計額が賃貸料相当額になります。
(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3平方メートル)
(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
この中の「固定資産税の課税標準額」についても、以下にまとめています。
固定資産税の課税標準額について
※固定資産税評価額は、毎年1月1日現在の土地・家屋を所有する者に対して課されるもので、固定資産税の基準価格となります。
この評価額は3年に一度見直されており、固定資産税以外にも、都市計画税や登録免許税、不動産取得税の算出に使用されます。
確認できる場所
東京都では、23区内は都税事務所、23区以外は市役所、町村役場
確認に必要な物
- 賃貸借契約書
- 個人の身分証明書
- 法人印
- 名刺?
- お金(数百円程度)
確認の流れ
- 役所で「会社で借りているマンションの課税評価額を知りたい」と相談する
- 固定資産の閲覧等申請書で土地課税台帳と家屋課税台帳にチェックし、閲覧させてもらう
- 固定資産の評価証明書(公租公課証明書)でもOKらしい、ちょっと少しだけ高くなります。
どこかで数千円して、高いような話を読んだ覚えがありましたが、実際試したところ、1000円もしませんでした。
出力された書類を見て、
上の計算式に当てはめて、賃料相当額を算出してみました。
賃料相当額の算出例
★計算しやすいようにそれぞれ架空の値を設定しています。
計算に必要なパラメータ
- 家賃15万円
- その年度の建物の固定資産税の課税標準額 : 2億 円
- その建物全体の総床面積(平方メートル) : 5,500 平方メートル
- その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 : 4億 円
- 住む家の総床面積(平方メートル) : 65.00 平方メートル
- 戸数:65戸 うち1戸分を計算
計算結果
(1) 2億円×0.2%=40万円
(2) 12円×(5,500平方m÷3.3㎡)=2万円
(3) 4億円(土地)×0.22%=88万円
(1)+(2)+(3)= 130万円
※全戸賃貸料相当額が130万円ということ。
これが65戸全て分なので、1戸分を按分して算出
130万円÷65戸 = 2万円
この例の場合、家賃負担2万円、13.33%となります。 (2万/15万)
つまり、家賃の15%以下で、社宅利用できるという感じになります。
一方、個人事業主で事業と半々で計算すると家賃負担7.5万、50%となります。
※上記はあくまで一例で、専門家ではないため、情報に誤りや情報が古くなっている可能性があります。
本記事を鵜吞みにして、税務署に否認される等の問題が生じても、責任は負いかねます。
社宅家賃の仕訳方法
法人が社宅の家賃を家主に払ったとき
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
地代家賃 | 150,000 | 普通預金 | 150,000 |
役員報酬を支給するときにそこから天引きしたとき
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
役員報酬 | xx0,000 | 普通預金 | △△0,000 |
預り金(社会保険) | ○○ | ||
預り金(源泉所得税) | ○○ | ||
受取家賃(賃貸料相当額) | 20,000 |
※受取家賃は非課税売上
※賃貸料相当額は、雑収入として処理することも可能のよう。
※消費税の納税を考えると、地代家賃の戻しとするのは間違いのようです。
参考
賃貸住宅を法人契約で節税。役員社宅で家賃を経費にする際の注意点。
https://kjshintani.com/?p=9199リンク先は例も載っていて、非常にわかりやすいです。
その他の記事もわかりやすいので、他にも読んでみたいと思います。社宅家賃の会計仕訳と税務処理
https://fx-rk.com/company-owned-house-tax/
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